皆さんは「基礎錬がつまらない」と思ったことはありませんか?
このような感じではないでしょうか?
ここで「わたしもそのように思っていました!」と言いたいところなんですが、わたしは基礎錬がつまらないと思ったことがありません(笑)。
わたしが基礎錬に飽きなかった理由としては、「飽きない工夫」を自動的にしていたからだと分析しています。
ただ「単調に同じところをクルクル」ではなく、「フォーム改善・練習メニュー考察・インプット情報をトライ」など、さまざまな試行錯誤を毎回行っていました。
毎回練習ノートで振り返りながらさまざまな工夫をして、少なく見積もっても累計500時間以上、8の字やオーバルなどの基礎錬に取り組んできたと思います。
そこで今回は「練習の虫」であるわたしが試行錯誤してたどり着いた、長時間の基礎錬を可能にする「ハイブリッドLSD」という練習方法を解説していきます!
オフロードバイク基礎練の革命!「ハイブリッドLSD」練習法とは?

皆さんはマラソンやロードバイクなどの「競技時間が長い」スポーツで活用されている、LSD(Long Slow Distance:ロング・スロー・ディスタンス)という練習方法を知っていますか?
ちょうぜつカンタンにいうと、こんな感じです。
LSDとは
「長く、ゆっくり、距離を走る」トレーニング。長い距離をゆっくり走ることによって、全身の持久力を高める。
LSDは「ゆっくり長く」のみですが、これに「全開走行」を挟むことで負荷をあげつつ実践的な練習にしたのが、今回紹介する「ハイブリッドLSD」です。
ハイブリッドLSDの要点としては、以下のとおりです。
- ゆっくりと全力を組み合わせた練習方法
- シッティング・スタンディング・両方の練習を一気に可能
- 長時間の基礎錬が可能
ハイブリッドLSDは要するに、「ゆっくり走ったり、全力で走ったりしながら長時間行う練習」です。
ただペースを変えて走るだけではなく、「ギアチェンジ・アクセル全開・シッティングからスタンディングへ移行・スタンディングオンリー」など、さまざまな練習を詰め込むことが可能です。
従来のLSDと「ハイブリッドLSD」の違い
となっていると思うので……(笑)
わたしが「ハイブリッドLSD」にたどり着いた流れを簡単に紹介します。
まずLSDという手法を、基礎錬に取り入れるところからスタートしました。
すぐ実践してみて、あることに気づきました。
ガソリンが尽きるまでずーーっとできるくらいのスピードなので、アクセル全開時の挙動やフォーム改善の答え合わせができず、「ただこなすだけ」の基礎錬をしていました。
そして研究熱心なわたしは(笑)、マラソントレーニングに関する以下の書籍を読み、調べ始めます。
実際にマラソンなどで行われるトレーニングは、ゆっくり長い距離を走るLSDと全力で走るインターバルトレーニングを混ぜて行うと知ります。
こうしてわたしはLSDの進化版である「ハイブリッドLSD」にたどり着きました。
従来のLSDは「ゆっくり長く」で、ハイブリッドLSDは「ゆっくり+全力走行」という違いがあります。
ハイブリッドLSDの特徴
ハイブリッドLSDの流れとしては、「ゆっくり走る→全力で走る→ゆっくり走る→全力で走る」を、決めた時間ひたすら繰り返します。
HIITで有名なタバタ式トレーニングをイメージするかもしれませんが、そこまで追い込む練習ではありません。
心拍計を付けてハイブリッドLSDを1時間半行った、以下のデータを見てもらえば想像つくかと思います!

画像を見るとほとんどがゾーン2(110~127)の「スゴイ楽なゾーン」で走っているのがわかります。
ピンク(ゾーン4)の部分が、全力で走って心拍数が上がっているときです。
わたしは以下の練習メニューを、広めのオーバルで行っていました。
- シッティングオンリー(ゆっくり)
- スタンディングオンリー(ゆっくり)
- シッティング&スタンディング(ゆっくり)
- シッティング&スタンディング(全力)
※左・右周りを繰り返しながら長時間実施
飽きずに上達!「ハイブリッドLSD」練習法の具体的なやり方

ではでは、「ハイブリッドLSD」の具体的なやり方を紹介します!
以下のように、レベル別でメニューを紹介したいと思います。
前提として、すべてに共通する内容としては、以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
| 練習方法 | オーバル練習 |
| 場所 | 平らな広場 |
| メニュー |
|
練習する際の意識ポイントとしては、以下のとおりです。
- ゆっくりのスピードとしては「アクセルちょい開け」くらい
- ゆっくりはフォームを意識しながら丁寧に曲がる
- 全力はとにかく最速で走る
時間でメニューを区切るため、時計やタイマーを活用しながら練習します。
わたしが使っているのは、100均で購入した壁掛け時計です。
昨日も朝練、今日も朝練🤛
そして、明日、明後日も朝練予定🤣笑
貪欲に行きます🤩🤩#基礎練#積み上げ pic.twitter.com/WX5rGHkofn
— くんすけ@練習の虫🐛 (@kunsuke5_com) September 7, 2024
レベルは以下を参考にして、自分に合った段階を見つけてください。
- 初級者:レース経験1年以内、WEX60
- 中級者:FUN-D、FUN-C、WEX90、WEX120、COMP-R
- 中上級者:FUN‐B、COMP-R上位、COMP-B、WEX120総合10位以内
初級者用メニュー
練習目的:さまざまなメニューをこなし、基礎錬になれる
初級者はそもそも、コーナリングを重点的に練習できる「基礎錬」自体に慣れていません。
まずは上達の近道となる、基礎錬に慣れることからスタートします。
詳細は、以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
| 練習時間 | 合計10分(左・右回りどちらかのみ) |
| メニュー |
|
練習のポイントとしては、以下のとおりです。
- スタンディングオンリーでコーナリングは難しいため、できなければスキップしてOK
- 体力に余裕があれば、休憩しながら左右(合計20分)行う
- LSD(長時間)の要素はないが、連続して10分間コーナリングし続ける練習に慣れる
中級者用メニュー
練習目的:全力でアクセルを多く開けられるようになり、スタンディングスキル上達で平均速度アップ
中級者は、ある程度コース練習にも慣れており、走破性も上がっている段階だと思います。
もちろんコーナリングはどのレベルにおいても大切ですが、中級者はスタンディングスキルの上達が、更なるレベルアップの鍵を握っています。
詳細は、以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
| 練習時間 | 合計30分 |
| メニュー | 以下の流れを続けて2セット(左・右周り)
|
練習のポイントとしては、以下のとおりです。
- スタンディングが3分間あるが、慣れないうちは腰の筋肉がつらくなってくる可能性がある
- 腰の筋肉がつらくならないフォーム&力の入れ方を探す
- スタンディングが維持できない場合は、適宜シッティングを混ぜて対応する
- 広めの場所でできる場合は、直線でシフトアップも練習する
中上級者用メニュー
練習目的:コーナー・ブレーキング・シフトチェンジの精度を上げ、スムーズなフォームポジション移行を習得
中上級者は走破性もある程度ありつつ全体的にペースが上がってきているため、コーナリング流れ(減速・旋回・加速)の精度を上げていきます。
上級者にレベルアップする上で大切なポイントは、直線でしっかりアクセル全開にできるようになる点です。
それに伴い、コーナリングだけでなくブレーキングやシフトチェンジの練習も、一緒に行う必要があります。
詳細は以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
| 練習時間 | 合計60分 |
| メニュー | 以下の流れを続けて2セット(左・右周り)
|
ポイントとしては、以下のとおりです。
- 直線でシフトアップ、減速時にシフトダウンも練習する(直線を長めにとるのが理想)
- 加速フォームをしっかりとり、立ち上がりでアクセル全開を習得する
- アクセル全開からのフルブレーキで、マシンの挙動に慣れる
くんすけがやっていた実例
ここからが、わたしがやっていた実例です。
練習内容としては、中上級者からマネできるメニューだと思います。
ラインやギアを変えつつ「12周ゆっくり走った後、4周全力で走る」という流れを、左右繰り返しながら長時間行います。
以下の画像&表に、まとめました。

| 項目 | 詳細 |
| 時間 | 合計60~90分 |
| 方法 | 4種類のラインを使ったオーバル(ギア選択)
|
| メニュー | 以下の流れをひたすら繰り返し(左・右)
|
具体的には、以下の流れをひたすら繰り返します。
- ゆっくりシッティングで小回り(1速)
- ゆっくりシッティングでちょい小回り(1速or2速)
- ゆっくりシッティングでふつう回り(2速or3速)
- ゆっくりシッティングで大回り(3速or4速)
- ゆっくりスタンディングで小回り(1速)
- ゆっくりスタンディングでちょい小回り(1速or2速)
- ゆっくりスタンディングでふつう回り(2速or3速)
- ゆっくりスタンディングで大回り(3速or4速)
- 両方ミックスで小回り(1速)
- 両方ミックスでちょい小回り(1速or2速)
- 両方ミックスでふつう回り(2速or3速)
- 両方ミックスで大回り(3速or4速)
- 全力で小回り(1速)
- 全力でちょい小回り(1速or2速)
- 全力でふつう回り(2速or3速)
- 全力で大回り(3速or4速)
超絶ウルトラハイパー大切なポイント
ここからが今回一番伝えたい内容、パンチラインです!
この練習を生かすも殺すも、以下のポイントを意識するかしないかです。
そのポイントとは……
「ゆっくりでも全力でも、入力の手順やフォームの意識は全く同じ」という点。
その通りです!
それをゆっくりでも意識して行います。
ゆっくりと全力で大きく違うのは「力を入れ始めるタイミング」です。
同じ「入力の手順・フォームの意識」なら、理論上はタイミングを変更するだけで曲がれる、曲がれないが決まります。
なので、以下の2パターンは間違った力の入れ方になります。
- ゆっくりではできる、全力だとできない
- ゆっくりだとできない、全力だとできる
この差を埋めていきます。
多くの方が「スピードでごまかされた」フォームを形成しているのではないでしょうか?
フォームを改善したいなら、「ゆっくりと」行うべきです。
しかし、ゆっくりだけだと全力で走ったとき、再現性があるか分かりません。
「この力の入れ方をすれば、この感覚で曲がれる」を意識して探してください!
ゆっくりも全力も同じ手順・フォーム意識で行えば差分がわかりやすいため、見つけた感覚の答え合わせが可能です。
「ハイブリッドLSD」は長時間かけて行うため、従来の基礎錬よりもPDCAを回しやすいという利点があります。
くんすけの実体験|2時間の基礎錬が可能になった
わたしは「ハイブリッドLSD」を思いついたことにより2時間の基礎錬が可能となり、ひたすら練習に打ち込みました。
長時間の基礎錬を何回も行うため、路面はもちろんギャップだらけになります。
しかし、あえてそのまま使うことで「ギャップで全力走行」を練習できる上に、「ギャップ走行のボディアクション」も練習できました。
自分の中で、特に進化を感じたのはスタンディング走行で、Rの大きさ関係なくスタンディングで通過できるようになり、苦手だったワダチ走行もスタンディングでスイスイ曲がれるようになりました。
その結果、2024年最終戦では序盤でAAライダーに食い込むほどのスピードを手に入れることができました。
半年ぶりのJNCC。
クラス 5位
総合 22位前半に、はじめてAクラス上位やAAライダーの近くで走れました。
以前より「一発のスピード」がつきましたが、後半のタレてしまうのが課題…
キツかったけど楽しかった〜☺️
来年も頑張ります💪💪 pic.twitter.com/w2FZYHNPN6
— くんすけ@練習の虫🐛 (@kunsuke5_com) November 11, 2024
スタンディングが上達すると、全体的にスムーズ&速く通過できるようになるため、成績アップにつながります。
ですが、自己流で練習していくと変なクセがつき、スタンディングの上達を妨げる可能性があります。
スタンディングコーナーの力の入れ方とタイミングは、以下の記事で詳しく解説しています。
ハイブリッドLSDはコース走行でも応用可能

という方も中にはいると思います。
そこで提案したいのが、ハイブリッドLSDはコース走行にも応用可能という点です。
メニューとしてお伝えした内容を、コース走行でそのまま実践します。
ただーーーーーーし!!
実践する上での注意点もありますので、以下にまとめました。
- コース走行で行う場合は、他のライダーの迷惑になる点を認識しておく
- 他のライダーがいる場合は、「端っこを走る」「ちょっとペースを上げる」など、臨機応変に対応する
- モトクロスコースはジャンプがあるため、他のライダーが走っている場合は危険なので実施しない
事故を起こさないよう、なるべく1人で実施。
他のライダーが走っているときに「どーしてもやりたい」場合は少しペースを上げるなどして、迷惑にならないようにしましょう。
まとめ
今回は従来の基礎錬の進化バージョンである「ハイブリッドLSD」練習法を紹介しました。
わたしが提案した、ハイブリッドLSDの練習メニューは以下のとおり。
- シッティングオンリー(ゆっくり)
- スタンディングオンリー(ゆっくり)
- シッティング&スタンディング(ゆっくり)
- シッティング&スタンディング(全力)
※左・右周りを繰り返しながら長時間実施
大切なポイントとしては、「ゆっくりでも全力でも、入力の手順やフォームの意識は全く同じ」です。
基礎錬をやりまくったわたしがたどり着いた「あれもこれも」欲張って練習できる効果的な方法です!
以下の記事もあわせて参考にし、ぜひ基礎錬に取り組んでみてください!
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