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購入ありがとうございます。
この記事でぜひ「速くなる」を実現してください!!
私は過去にJNCCで、「FUN-C表彰圏外→2年後COMP-Bシリーズチャンピオン」という「超・急成長」をしました。
「へぇ~!そんなエグイ人ほんとにいるの!?」と思った方へ、私の自己紹介はコチラ
皆さんは、「速いライダー」が自分と何が違うのかわかりますか?
全部あたりですが、とどのつまり「何がうまい」のでしょうか?
ということは「何がうまい」のですか?あと一声!
そうです!その通りです!!
速いライダーは「身体の使い方」がうまいため、バイクの扱いもうまく、結果として速く走ることができます。
つまり、速いライダーの「身体の使い方」をマネすることができれば、速く走れると言い換えることができます。
研究熱心な私は、この「身体の使い方」という点に注目しました。
JNCCやGNCC、EnduroGPだけでなく、MXGPやAMAライダーまで、とにかく「速いライダー」のライディング、特にコーナリングフォームを見まくりました。
そして見つけた共通点。
「足首90度」です。
例外なくみな、足首90度になっていました。
「足首の重要性」は以前から知っている内容ではありましたが、なんどもなんども「足首90度」にチャレンジしましたが、結局できませんでした……。
できたとしても「走るとすぐ忘れる」というしまつ。
いずれ「速くなったら足首90度になる」と思っているみなさん。
ここで断言します。
ぜったいに「いつのまにか出来ている」にはなりません。
私は基礎練を6年以上、累計500時間以上やってもできませんでした。
なぜかというと、力の入れ方が「めいかくに」違うからです。
このような方もいるかもしれません。
では聞きますが、
「足首」と「股関節」を連動して使えていますか?
骨盤ではなく、「股関節」です。
足首90度は「力の入れ方」の結果です。
方法ではないので「形だけマネ」しても全く意味がありません。
正しい力の入れ方で「足首90度」になると、プライオメトリクスでいわれる「足のバネ」を使えたり、ハムストリングを有効に使えることで、「強力なステップ荷重」を実現することができます。
「足首90度」を諦めきれないわたしは、スポーツ系の書籍やyoutubeで研究しまくり、2024年に基礎練を6か月で100時間以上取り組んでその「身体の使い方」をようやく発見し、ライディングに落とし込みました。

習得したあとの昨シーズンJNCC最終戦は、COMP-Aでベストラップは4位(順位は5秒差で5位)という、上位陣に食らいつくスピードを発揮することができました。
昔の自分では「到底考えられない」スピード域です。
半年ぶりのJNCC。
クラス 5位
総合 22位前半に、はじめてAクラス上位やAAライダーの近くで走れました。
以前より「一発のスピード」がつきましたが、後半のタレてしまうのが課題…
キツかったけど楽しかった〜☺️
来年も頑張ります💪💪 pic.twitter.com/w2FZYHNPN6
— くんすけ@練習の虫🐛#05 (@kunsuke5_com) November 11, 2024
その膨大な時間と労力をかけて発見した「力の入れ方」を今回の記事で詳細に解説していきます。
紹介する「力の入れ方」は「くんすけ独自理論」ではなく、「スポーツバイオメカニクス(力学・解剖学・生理学)」に基づいているため、再現性があります。
トップライダーが「スクール・動画・雑誌」で語るライテクを、深く理解して「自分のもの」にする大きな手助けとなります。
この記事は以下の方に参考になります。
- 足首90度でフォーム改善したい方
- 成長速度を爆上げしたい方
- スピードを身に付けたい方
- ステップ荷重を強化したい方
- 外反母趾の方
- 子供がバイクに乗っている方
「足首90度」にできるメリット

カッコよいライダーのカッコいいライディングフォームに近づける「足首90度」。
「足首90度」にできるメリットは以下の通りです。
- 段違いのトラクションを感じれる
- コーナリング精度が上がる
- マシンの真ん中に乗りやすくなる
- スタンディングの走破性が増す
段違いのトラクションを感じれる
明らかにトラクションさせることができるようになります。
私はYZ250Xに乗っていますが、今までとはあきらかに違う「リアタイヤの路面への食いつき」を感じられるようになりました。
今までは「荒れた路面」をゆっくり走る場合、スピードのごまかしが効かないため簡単にスタックしてしまいました。
速く走る場合でも、アクセル開け始めにリアがスライドしたり、路面をかいてしまって前に進みにくかったりしましたが、明らかにそのパターンがへりました、
真ん中に乗りやすくなる
「足首90度」にすることで下半身がズレにくくなり、真ん中に乗りやすくなります。
前提条件として「真ん中に乗れる」ということになりますが、以前「真ん中に乗る」方法の詳細記事を書いたのでそちらを参考にしてください。
【超・重要】サスセッティングの「違いがわかる」ライダーになる方法3選
もちろん荒れている路面や、傾斜のついた登りでは「真ん中に乗る」のが難しいですが、今までよりも下半身がズレにくくなります。
コーナリング精度が格段に上がる
ワダチをトレースしやすくなり、行きたい方向にいきやすくなり、アクセルの開け始めが早くなります。
「速いライダー」のコーナリングフォームを研究したので、「足首90度」にできるようになって1番恩恵を受けた内容が「コーナリング」でした。
さんざん基礎練に取り組んで試行錯誤してきましたが、今回の発見が「最大の効果」を発揮する内容でした。
スタンディングの走破性が増す
スタンディングでもトラクションさせることが可能になります。
スタンディングって、「ただ立って力を抜く」だけだと思ってませんか?
このような方も多いのではないでしょうか。
今回紹介する「力の入れ方」を習得すると、スタンディングで「路面にリアタイヤを押し付けている」ことを感じ取れるようになり、安定して速く走れるようになります。
これは「平らな路面」だけでなく、「傾斜がついた路面」や「荒れた路面」でも有効です。
足首と股関節の連動が必須

「足のバネ」「ハムストリング」を有効に使えると、「強力なステップ荷重」を実現できます。
それには「足首と股関節の連動」が必須となります。
骨盤ではなく「股関節」
骨盤と股関節の主な違いは以下の通りです。
特徴 | 骨盤 | 股関節 |
---|---|---|
構造 | 骨(腸骨、恥骨、坐骨、仙骨、尾骨)からなる | 骨盤と大腿骨が接続する関節 |
役割 | 身体の支え、内臓の保護 | 脚の動きと体重の分散 |
可動性 | 固定されていて動きは限定的 | 高い可動性を持つ(球関節として動く) |
部位の範囲 | 身体の中枢(体幹の下部) | 骨盤と脚の接続部 |
骨盤を立てて乗る。
このワードは皆さんも「耳にタコができる」くらい聞いたことあるのではないでしょうか?
私もライディングフォームの研究をしていると、頻繁に見聞きしました。
しかし「骨盤」と言われる部位は、「腸骨、恥骨、坐骨、仙骨、尾骨」の5つの骨の総称です。
「骨盤を意識する」となると、この5つの骨のあたり「だいたいこの辺」という感じで意識をむけることとなり、固定されていて動きは限定的です。
「骨盤を立てる」という乗り方は、直線では意識しやすいですが、コーナリングとなるとどうでしょうか?
コーナリングは車体を倒した「ななめの状態」で、片方の足を出して反対の足でステップ荷重します。
このとき皆さんは、左右の足が違う動きをしている中、「骨盤を立てる」ことを意識することができるでしょうか?
私はいくら基礎練をやってもできませんでした……。
いっぽう股関節は、「股の少し上あたり」に大腿骨の球体が骨盤のくぼみに「はまり込む」形で左右でついになって形成されており、高い可動性を持ちます(球関節として動く)。
そのため「右側の股関節」「左側の股関節」と意識を分けてつかうことが可能です。

これによりコーナリングでの外足、アウト側の「ハムストリング」を使うという動きが可能となります。
直線では「左右の股関節」を使うことで、両足とも同じ動きをすることが可能です。
これは「なんとなくこの辺」となりやすい骨盤ではなしえない、高度な動きとなります。
ハムストリングを使う
ハムストリングは大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉で構成されています。

皆さんは「ハムストリングを使う」「もも裏の筋肉を使う」と、なんどか聞いたことがあるのではないでしょうか?
オフロードバイクに限ったことではなく、ハムストリングは多くのスポーツ動作で重要であるとうたわれています。
スポーツでハムストリングを使うメリットは以下の通りです。
- 走るスピード向上
- ジャンプ力が強化
- 急停止・方向転換がスムーズ
- ケガの予防
- 瞬発力が向上
- 筋持久力が向上
- 全身の連動性を高める
- フォームが安定し効率向上
いっぽう、このように思ったことはないでしょうか?
ハムストリングは「伸張反射」をすることで、使えるようになります。
伸張反射とは、筋肉を伸ばして「反射的に縮もうとする作用」を使い、筋肉をバネのように使える機能のことです。
これにより、大きな力を発揮することができるようになります。
足首と股関節を連動させることにより、ハムストリングの伸張反射を使えるようになります。
その結果として「強力なステップ荷重」を実現することができ、ライディングの大きなプラスの効果をもたらします。
「足のバネ」を使う
皆さんはスタンディングフォームで何を意識していますか?
ツッコミどころ満載ですが……(笑)
スタンディングしているとき、下半身でステップに対して「何かしらのアクション」をしているでしょうか?
ただ足のをせているだけ。
このような方も多いのではないでしょうか?
「ただ足をのせているだけ」だと、「加速・減速・コーナリング・傾斜・難所」すべての場面においてトラクションさせることが難しくなります。
今回紹介する力の入れ方で「足首90度」にすると、ふくらはぎの「伸張反射」を利用することができ、「足のバネ」を使うことができます。
「足のバネ」は、脚部の筋肉や腱が持つ弾性や瞬発力を指します。この性質によって、ジャンプや走るときに大きな推進力を生み出すことができます。
「足のバネ」は身体能力の重要な要素であり、多くのスポーツや日常動作で大きな役割を果たします。それを鍛えることで、効率的で力強い動きを可能にします。
これにより、ギャップや荒れた路面でも身体がブレにくく、サスペンションを有効的に使うことができます。
今までは「なりで通過」してフラれたり、弾かれたりしていたセクションで、身体・車体がブレにくくなることで楽に通過できるようになります。
外反母趾の人は注意が必要
外反母趾とは、足の親指(拇趾)が外側に曲がり、変形する病気です。
一般的に外反母趾の方は「足の使い方がヘタ」な傾向があり、ステップ荷重に大きな悪影響を及ぼしている可能性があります。

実は私も軽度な外反母趾で、以前「ペタペタあるき」をして「外足荷重」であったため、外反母趾になったと推測しています。
いまいちど、自分の「足の指の形」を確認してみてください。
外足荷重の弊害
外足荷重だと、人体の構造的に足の力がいれにくいため、ステップ荷重どころか体制が不安定になりやすいです。
ふくらはぎ外側の骨である「腓骨」の真下には、支える骨が存在しません。
これは「荷重を掛けたくても、掛かりにくい」構造となります。

いっぽう、ふくらはぎ内側の骨である「脛骨」の真下には「距骨」があります。
支える骨が存在しているため、「荷重を掛けやすい」構造となります。

「距骨」は足首の中央に位置し、体のバランスを保つ役割や足首の筋出力をつかさどる役割を担っています。
よく聞く「母指球で乗る」という状態は、「足裏の内側」でステップ荷重することを意味するので、解剖学的にも「理にかなっている」といえます。
「いつかできる」は永久にこない

このように思って基礎練をマジメに取り組みはじめ、COMP-RからCOMP-Aシングルになりましたが……
結局「しぜんとできる」ようには、なりませんでした。

林道ライダー出身で基礎練を6年以上、試行錯誤をくり返しながら累計500時間以上取り組んできた私が出した結論なので、信ぴょう性はあると思います。
しぜんと正しい力の入れ方ができていて、「足首90度」になっているエンデューロライダーのほとんどが、トップライダーです。
もしくは幼少期にオフロードバイクに乗っていた経験がある「速いライダー」です。
フォームをマネしても意味なし
ライディングフォームを作っている「力の入れ方」を学ぶ必要があります。
「フォームをマネしても意味ない」ことは、以下の動画の説明が分かりやすいです。
力の入れ方は「すでに習得している人」に聞くのがベストです。
聞ける環境にある人はラッキーですが、そうでない人の割合の方が多いと思います。
さらに聞ける環境にある人も、相手が「しぜんと無意識に」習得しているパターンだと、身体の感覚を適切に言語化する必要があるため、どーしても説明が難しくなる傾向にあります。
私は過去になんども「足首90度」の実現にチャレンジしました。
COMP-R時代に「速いライダー共通の足首90度」を発見し、COMP-Aシングルになるまで毎年フォーム改善に取りくみました。
毎回「今度こそは足首90度になってるはずだ!」と思ってビデオ撮影したり、レース写真を確認したりしましたが…
確認するたびに挫折。
「足首90度」を実現するにあたり、私ほど悩みたおして試行錯誤しまくってきた人は全国的にみて少ないと思います。
今回紹介するのはライディングの「スキル」や「フォーム」ではなく、もっと根本的な内容である「力の入れ方」で、ライディングすべてにおいて効果があります。
「力の入れ方」はさまざまなスポーツで有効性がうたわれている「ハムストリング&足のバネを使う方法」となります。
私は「力の入れ方」を習得した結果、師匠を含めたさまざまなトップライダーからの助言や、スクール受けたときの内容、オフロードバイク雑誌に書いてるライテク、国内外のyoutube動画をみて蓄積していた知識を、ようやく繋げることができました。

※習得期間には個人差があります。
スポーツで新しい動作を習得するには、「シナプス」と「神経回路」の形成が重要です。シナプスは脳や神経細胞同士をつなぐ部分で、練習を重ねるたびにそのつながりが強化され、神経回路が効率的になります。
最初は脳が細かく動きを指示するためぎこちなくなりますが、繰り返し練習することで動作がスムーズになり、自動的にできるようになります。また、失敗や試行錯誤を通じて「最適な回路」が選ばれ、動作が体に定着します。
このように、新しい動作を身につけるにはシナプスの強化と神経回路の構築に時間が必要です。
足首と股関節の重要性

「足首90度」を実現するには、「足の指」と「股関節」を連動して使うことがキーポイントです。
「力の入れ方」のゴールは、「ハムストリングに力が入り、足首90度になる」ことです。
このゴールにみなさんが到達できるよう詳しく解説していきます。
足の指の重要性
正しい力の入れ方が、足の指を握りこむ形である「底屈(ていくつ)」です。
オフロードブーツの中で「インソールを握りこむ」イメージです。

「底屈」のやり方は以下の通りです。


ちなみにシッティングやコーナリングの時など、ステップの角に足をのせるタイミングは、同じ力の入れ方で「かかとを浮かした」状態となります。

足の指をどのような形にするかで、働く筋肉が変わってしまいます。
足の指の「底屈」で働く、ひざ下の筋肉群は以下のとおりです。
筋肉名 | 主な役割 |
---|---|
長趾屈筋 | 第2〜第5趾の底屈 |
長母趾屈筋 | 母趾の底屈 |
後脛骨筋 | 安定性の補助 |
短趾屈筋 | 足の指のグリップ力をサポート |
腓腹筋・ヒラメ筋 | 足首の底屈と全体的な安定性を提供 |
この形を作ることにより、5つの筋肉群がはたらいて足首がロックされ、「足のバネ」が使えるようになります。
「足のバネ」は、ジャンプやバウンド動作を通じて筋肉と腱の弾性を高めるプライオメトリクストレーニングで鍛えることができます。
私はこの形をマスターするために、縄跳びやアンクルジャンプでトレーニングを行いました。
詳しくは割愛しますが、気になる方は「プライオメトリクストレーニング」で検索してみてください。
くんすけの失敗談
母指球でステップに乗る。
オフロードバイクのライディングフォームについて調べると、かならず目にする言葉です。
スクールに参加してトップライダーが言っているのを聞いたことある人もいると思います。
私は「母指球でステップに乗る」を実行するため試行錯誤し、見つけた足の形が「外反(がいはん)」でした。

ブーツの中でこの形にすると明らかに母指球に荷重がかかり、「母指球でステップにのる」というコツを習得できたと思っていました。
実際にCOMP-Bでシリーズチャンピオンになった年に発見して、COMP-Aシングルになってもずーっとこの形でステップを踏んでいました。
しかしそもそも、足首に曲がる力が加わるため意識して無理やり足首90度にしないかぎり、形を作ることができませんでした。
足の指の「外反」で働く、ひざ下の筋肉群は以下のとおりです。
筋肉名 | 主な役割 |
---|---|
長趾伸筋 | 足の第2〜第5趾を外反方向に動かす |
長母趾伸筋 | 母趾を外反方向に動かす |
短母趾外転筋 | 母趾を外側(内側から外側方向)に動かす |
小趾外転筋 | 小趾を外側(外反方向)に動かす |
腓骨筋群 | 足の外反運動を補助 |
このように働く筋肉群も「底屈」とは異なります。
股関節の重要性
股関節を使えるようになるには、股関節がどこにあるのかしっかり把握する必要があります。
股関節は、そけい部(股のVゾーン)の中間にあります。
そけい部の中間あたりをさわると、股関節の丸みをおびている部分を「骨頭(こっとう)」をさわることができます。

股関節を「前に出す」のが正しい力の入れ方であり、骨盤が立った状態です。
しかし「股関節の使い方がヘタ」な日本人にとっては不自然な形なので、慣れるまで違和感を覚えると思います。
股関節は、パワーの生成、動きの自由度、安定性のすべてを支える中枢的な役割を果たします。
股関節を正しく活用できることは、競技パフォーマンスの向上だけでなく、ケガの予防や動作の効率化にも直結し、強力な力を発揮できるようになります。
※動画長いので参考程度に視聴してみてください。
股関節の力の入れ方
※股関節の力の入れ方は「すべての動作で必須となる重要項目」なので、確実に習得してください。
股関節の位置(そけい部の中間あたり)をさわり、骨頭をさがします。
はじめは分かりにくいですが、指で縦や横、円状にさすってみると「丸い骨」を確認することができます。
確認できたら、さわりながら前に腰を出すイメージで突き出します。



股関節を突き出す前が「骨盤が寝ている」状態で、突き出した後が「骨盤が立った」状態です。
画像で確認すると、骨盤が寝ているときは正面が「くの字」になっていますが、骨盤が立っているときは正面が「まっすぐ」になっています。
これが正しくできると、鼠径部の横の筋肉(大腿筋膜張筋)に力が入ります。

慣れてくるとこの筋肉に力を入れる意識で、股関節を使えるようになります。
「力の入れ方」習得方法

足の指と股関節を連動してハムストリングを使う「力の入れ方」を習得する方法を解説します。
ここで皆さんに質問です。
私たちが自然と行っている日常動作といえば何でしょうか?
「座る」「立つ」「歩く」動作です。
この動作はほとんどの方が簡単に行うことができますが、「ハムストリングに力を入れながら」となると、練習しないかぎりできません。
しかし「座る」「立つ」「歩く」は日常動作なので、わざわざ新たに時間を確保しなくても、ほとんどの方が普段の生活の中で「力の入れ方」の練習に取り組むことが可能です。
私の場合は、朝晩しっかり時間を確保して練習しました。
10回×2セットなど決めて力を入れたり、鏡を見ながら姿勢をチェックしたり、30分程度「ハムストリングに力を入れて」歩いたり、いろいろなアプローチで習得に取り組みました。
仕事中でも暇な時間は座って力を入れてみたり、立って入れてみたり、歩きながら力を入れてみたりと、「気が付いたら練習する」といった姿勢でした。
ハムストリングに力を入れて座る
座ってハムストリングに力を入れられるようになることで、オフロードバイクの基本ポジションである「シッティング」でハムストリングを使えるようになります。
※すべての動作を「股関節を前に出しながら」行います。
座ってハムストリングに力を入れる方法
- 椅子に浅くすわる。
- 足の指を握りこむ(底屈)。
- 形を維持したまま、つま先立ちする。
- 親指を中心につま先を床に「こすりつけ」ながら、手前に引きつける。
- もも裏の「ハムストリング」に力が入ればOK





足の指を握りこむ(底屈)と足首がロックされ、親指を中心につま先を手前に引き付ける動作をすることで股関節がはたらき(股関節がななめ上方向に力が入る)、ハムストリングに力が入ります。
ためしにつま先立ちをせず、踵をつけて手前に引いてみたり、足の外側の側面、内側の側面をつけてひいてみたりしてみると、ハムストリングに力が入りにくいことが体感できます。
ハムストリングに力を入れて立つ
立ってハムストリングに力を入れられるようになることで、オフロードバイクの「スタンディング」でハムストリングを使えるようになります。
※すべての動作を「股関節を前に出しながら」行います。
立って片足のみ力を入れる場合
- 両足そろえて立つ
- 力を入れたい方の足を一歩出す
- 足指を握りこむ形をつくる
- 親指中心で「ひきずる」ように手前に引き寄せる
- ハムストリングに力が入ればOK





両足同時でも基本的に力の入れ方は同じです。
かかとを浮かした方が力を入れやすいですが、足をついた状態でもできるようにします。
ハムストリングに力を入れて歩く
立って力を入れられるようになったら、歩いてできるようにします。
オフロードバイクで「歩く」動作はなく、その応用である「走る」動作もありません。
いっぽう「歩く」という動作は、日常生活の中で最も自然で頻繁に行われる移動手段で、意識せずとも私たちの一日の中に数多く取り入れられています。
ハムストリングに力を入れて歩けるようになると、「ハムストリングへの意識」や「ハムストリングの筋肉」を自然と鍛えることができます。
やり方は「足の指を底屈の形にし、股関節を前に出した状態で前に進む」です。

イメージとしては「股関節で歩く」という感じで、股関節への意識がキーポイントです。
底屈の形で足が地面につき、足を踏み込むタイミングでハムストリングに力が入ります。
正しくできるようになると、普通に歩いているだけで「後ろから押してもらっている」と錯覚するくらい、前にぐんぐん進むようになります。
ライディングへの落とし込み方

「座る」「立つ」「歩く」でハムストリングに力を入れることができたら、ライディングへ応用させていきます。
まったく同じ力を加えると「すぐできる」のかというと、そんな単純ではありません。
私は時間をかけてありとあらゆる「力の入れ方」を試して、たどり着いた結論を伝えます。
ブーツの中の「インソールを握りこむ形」でステップを踏み、股関節を前に出しながら親指を支点に「ヒザを斜め上方向に出す」という力の入れ方です。
この力の入れ方により、「足の指と股関節が連動」することでハムストリングを使うことができ、結果的に「足首90度」になります。
ステップ荷重の方向
ステップのまえ側の角を「斜めうしろ」方向に力を加えるのが、正しい荷重のかけ方です。
これはエンデューロトップライダーであるDBが解説していた動画で伝えている内容です。
ハムストリングに力が入りやすい方向としても同じで、「斜めうしろ方向」です。
これを「した方向」にかけようとすると、うしろ側のハムストリングではなく、まえ側の大腿四頭筋が働きやすくなります。
ほとんどのライダーが、まえ側の大腿四頭筋を働かせてステップ荷重を行っています。
まえ側の大腿四頭筋ではなく、うしろ側のハムストリングを使って荷重を掛ける。
これこそがまさに、「フォームの形だけマネしても全く意味がない」という内容の証明になります。
うしろ方向の意識は、やりにくい
「え?どっちなん?」と思った方もいるかもしれません。
理由としては、ステップを「斜めうしろ」方向に荷重するのは意識しにくい上に、「アクセル全開走行時」や「登り傾斜の難所」で力をいれにくかったからです。
いろいろな「力の入れ方」を試すなか、身体のうしろ側を意識すると「今日はできたけど次できない」パターンがたびたびあり、再現性に欠ける印象でした。
いっぽう身体のまえ側を意識すると「今日もできて次もできる」といった再現性のある意識として蓄積することができました。
私が出した結論としては、「意識を進行方向に合わせる」です。
「うしろを意識しながら歩く」ことが難しいように、「まえに進みながら、うしろ側を意識して力をいれる」という内容がとても難しく感じました。
また「アクセル全開走行」「登り傾斜の難所」ではマシンの真ん中に乗りつづけるのが困難で、かんたんに「うしろ乗り」になります。
ステップを「斜めうしろ」に荷重を掛けるときに「うしろ乗り」だと、荷重をかけにくくなります。
いっぽう「ヒザを斜め上方向に出す」という力の入れ方だと、「うしろ乗り」であっても力を入れやすく、結果的にステップの斜めうしろ方向に荷重をかけることができます。
ゆっくり練習する
持久系スポーツの練習方法として、LSD(Long Slow Distance)という考え方があります。
LSDトレーニングは、主に持久力向上を目的としたトレーニング手法で、マラソンやトライアスロンなどの持久系スポーツにおいて特に効果的とされています。
このトレーニングは、低強度で長時間行うことに重点を置いており、身体への負担を最小限に抑えつつ、心肺機能やエネルギー代謝を効率的に鍛えることができます。
LSDのメリットは以下の通りです。
- 心肺機能の向上
- 脂肪燃焼能力の向上
- 筋肉と骨の耐久性向上
- 精神的な持久力の強化
- エネルギー効率の向上
- リカバリー促進
- 持久力の基礎作り
私はこの考え方を基礎練に応用させ、「ゆっくりフォームを意識しながら」長時間の基礎練を行いました。
新しいクセを身体に覚えこむには、有意識を無意識にする必要があります。
基礎練によって動作を繰り返すと「有意識」を「無意識」に変えていきやすくなり、これにLSDの考え方を取り入れることで、「意識した時間」「意識した回数」が飛躍的に上昇させることが可能です。
この学習プロセスは、心理学者ノエル・バーチが提唱した「無意識的無能から無意識的有能までの4段階モデル」に関連しています。
「学習の4段階モデル」は以下のとおりです。
段階 | 特徴 |
---|---|
1. 無意識的無能 | 自分が何を知らないか、何ができないかを認識していない状態。 |
2. 意識的無能 | 自分が何を知らないか、何ができないかを理解し始め、できないことを自覚する段階。 |
3. 意識的有能 | 意識的に注意を払うことで、技能を実行できるようになる段階。 |
4. 無意識的有能 | 繰り返し練習した結果、技能が自動化され、意識せずとも実行できる段階。 |
各段階は進むにつれて、意識的な努力が少なくなり、自然な動作や思考ができるようになります。
練習やフィードバックを通じて、意識的なプロセスを無意識に移行させるのが重要です。
ハムストリングに力を入れる方法をしった皆さんは、現在は「2,意識的無能」の段階にいるので、「4,無意識的有能」をめざして練習します。
私が取り組んだ、具体的な練習方法は以下の通りです。
- 練習方法は左右オーバルのみ
- 時間は30~60分
- 徐々に外周を大きくして5パターン
- 外周に合わせてギアチェンジする
- シッティングとスタンディングを交互
ゆっくり行うことで身体に意識が向けやすい上に心拍数も上がらないので疲れにくく、長く走る練習にもなります。
ニーグリップは自動
車体をニーグリップすることが重要。
皆さんもよくこのフレーズを聞くと思います。
しかし今回紹介した「力の入れ方」だと、ニーグリップを自動ですることが可能です。

ブーツの中の「インソールを握りこむ形」でステップを踏み、親指を支点に「ヒザを斜め上方向に出す」という力の入れ方をすると、赤矢印の方向に力が入ります。
「握りこむ形」だけだと「まっすぐ」に力が加わりますが、「親指支点」にすることで「斜め上」方向となります。
コーナリングはアウト側の足を「ヒザを斜め上方向に出す」という力の加え方で、自動でマシンを倒しこむことができます。
速いライダーは足首90度に加えて、ひざ下の角度が地面に対して45度前後になっており、ひざが高い位置にあります。紹介した「力の入れ方」をすれば、「足首90度」「ひざ下45度」「ひざが高い位置」すべて実現することが可能です。
おわりに
今回はエンデューロライダーに贈る「速くなる」下半身の使い方という内容で、「足の指」と「股関節」を連動させてハムストリングを使う「力の入れ方」を解説しました。
「母指球で乗る」「足首は大切」「ステップ荷重は大切」などは、誰でも知っている内容ではありますが、「どのような方向で、どのような力の加え方をするのか」という解説は、はじめての経験だったのではないでしょうか?
人それぞれレベルも違うので習得時間にも差があると思いますが、今回紹介した「力の入れ方」を覚えれば、今より「速くなれる」ことは間違いないです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。