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購入ありがとうございます。
コチラの記事で是非周りとの「差別化」を実現しちゃってください!!
※「03 マシンの姿勢の重要性」から有料記事内容となりますので、目次からジャンプしてください。
くんすけ@練習の虫(@kunuke5_com)です。
私は過去にJNCCで、「FUN-C表彰圏外→2年後COMP-Bシリーズチャンピオン」という「超・急成長」をしました。
え!?!?そんなエグイ人いるの!?!?」と思った方へ、私の自己紹介はコチラ
突然ですが皆さん、私にこのように言われたらどうでしょうか??
両極端な答えですが、こんな感じではないでしょうか?(笑)
では実際にカコの私が体験したことを少し紹介します。
コチラをご覧ください。

左は自己紹介記事でおなじみのFUN-Cで12位の出走証明書、そして右側が約1か月後COMP-Rに転向して初レースで3位の出走証明書です。
もちろん、ズルはしていません(笑)。
今は無き「爺ヶ岳」ラウンドでのFUNクラス最高順位はCクラスで7位でした。
記事を読んでいる方の中でも、カコの私よりも速い人は沢山いるのではないでしょうか?
過去記事でも紹介したように、このレースのチョイ前あたりから師匠に色々ご指導を受けるようになりました。
そして、「速い人の当たり前」を教えてもらった結果、COMP-Rクラスで3位入賞と、成績が急上昇しました。
もちろん1か月程度では、ココまでの急成長を遂げるコトは不可能なので、師匠に教えてもらった「サスセッティング」のお陰です。
そしてその後、師匠のマネをしてサスペンションチューニングで有名なRG3に前後リバルビングしてもらい、スタッフの方に沢山質問したり、師匠や先輩に教わりながら、自分でありとあらゆるセッティングを試して「サスセッティングの精度」を上げていきました。
COMP-Bシリーズチャンピオンになれた要因として、師匠に教わりながら「基礎練をやりまくった」ことや、YZ250FXで「オリジナルマップを完成させた」ことを紹介しました。
そして今回紹介する内容が特に重要で、「自分に合う適切なサスセッティングを出せるようになった」ことです。
過去には、
とご指導されるほど、突き詰めて試行錯誤を繰り返してました。
レース中でもサスセッティングがイマイチと感じた時は、給油のタイミングでサスセッティングを変更する程こだわっていました。
そのかいあって今では、師匠も参考にするほどの「乗りやすいマシンセッティング」を出せるようになりました。
今日は「豪雨後」のチュル沼。
さいこーーーーーにツルツルでした⛸️
皆さまに「マシン乗りやすい」と言ってもらえて、キャブ&サスセッティングの答え合わせができました☺️
FIMタイヤだったけど、バッチリ👌 pic.twitter.com/OKlApkZVaY
— くんすけ@練習の虫🐛#05 (@kunsuke5_com) November 3, 2024
以前AAGPに招致選手として来日した外国人ライダーは、「走りを見ていてサスセッティングが合っていないライダーが多い印象」とも語っていました。
自分の実力にあった「適正なサスセッティング」を出すことができるようになれば、今と同じ実力だとしても成績アップの可能性が急上昇します。
さらに転倒しづらくなることで、ケガによる「戦線離脱」がなくなり成長し続けることが可能となります。
サスセッティングが「いかに大切か」わかるシーン。
こんな感じで、サスに助けられて転倒を防いだことが「何度も」あります。
もし転倒していたら、何かしらのトラブルがあった可能性大です( ; ; )
※フレアライン塾長のヘルカメ動画よりhttps://t.co/O9dJw8cO94 @YouTubeより
— くんすけ@練習の虫🐛#05 (@kunsuke5_com) November 16, 2024
ですがそんな、「カユイ所に手が届くようなサスセッティングの実践的な情報」は多くは出回っていません。
さらに人それぞれの好みがあったり、レベルが違ったりする上、感覚的な内容もあるため、正直「言語化」がメチャクチャ難しい内容でもあります。
私はその「言語化」という作業を、今でも続けている「練習ノート」にサスセッティングを変更して走行するたび、またセッティングの組み合わせを考察する度に毎回書き続けてきました。
そこで今回は、「サスセッティングにこだわり過ぎ!」と注意されるほどになったわたくしが、今まで教わってきた内容や実践して得た内容、リバルビングした経験談や、様々な失敗談などを惜しみなく、そして丁寧に分かりやすく書いていきたいと思います!!!
この記事は、以下の方に参考になります。
- ケガしたくない人
- 速くなりたい人
- 自分に合ったサスセッティングを出したい人
- サスセッティングで「迷宮入り」したコトがある人
- サスセッティングの実践的な情報が知りたい人
- リバルビングに興味がある人
なぜ「ケガ防止」につながるのか?

皆さんに質問です。
そうです!!
皆さんが想像している通り、何かしらの理由で「転倒」したことが原因です!!
逆に、転倒せずにケガするコトは全く無くはありませんが、とても少ないのではないでしょうか??
よって、
ケガ ≒ 転倒
といっても過言ではありません。
転倒の理由
続けて質問です。
ですが、それらは本当に「たまたま」でしょうか??
もし仮にその転倒が未然に防げたとしたら…
ケガをしなかった可能性もあります!!
逆に私はレース中、全開走行しているときに不意にリアが弾かれ、視界の隅にリアタイヤが映り込んで「あ、終わったな…」と思うほど吹っ飛びそうになったにも関わらず、転倒せずにサスに助けてもらった経験が、一度や二度ではなく、何度もあります。
もちろん、そのまま吹っ飛んでたら間違いなく大ケガしていたと思います。
謎の転倒の正体
キッカケが分からないけど転倒してしまったコトはないでしょうか?
その「謎の転倒」は、実はカナリの確率でサスセッティング起因による転倒である可能性が高いです。
たまに何もない直線でフロントが急にもってかれて激しく転倒する動画がSNSで流れていますが、私的にはサスセッティングに起因する転倒だと思っています。
転倒の可能性を低くする
ほとんどのケガは転倒するコトをキッカケにして起こります。
逆を言うと「転倒にしくくなればケガしにくくなる」とも言い換えることができます。
ケガ防止に一番効果があるものとしては、私は「サスセッティング」であると思っています。
以前記事で紹介したとおり、私はカコにデカいケガをしてしまいました。
それ以来ケガによって仕事に支障をきたしたり、レースを欠場したり、練習デキない時期があったことはありません。
誰しもがケガをしたくないと思っていると思いますが、大ケガしてバイクに乗れなくなってしまう事は、ただ練習デキないだけでなく、成長できる期間を失うといった「機会損失」にもなってしまいます。
また転倒しにくくなることにより、マシンが壊れにくくなります。
なぜ「疲労軽減&スピードアップ」に繋がるのか?

例えば登山をするとします。
登山靴と言えばトレッキングシューズですが、もしこれが革靴を履いて行った場合どーでしょうか?
メチャクチャ登りにくい上に靴ズレを起こしたり、足元滑らせて転倒してしまったり、早々にヘトヘトになってしまう可能性があります。
そんな状態ではまともに登れたもんではありません…。
しかしトレッキングシューズを履くことで、全く同じ箇所を登ったとしても、段違いに上りやすくなり、疲労感も全然違うと思います。
似たような現象がオフロードバイクでも、サスセッティングを変更することで起こりえます。
マシンの姿勢や前後バランス&減衰の兼ね合い&低速域と高速域のセッティングによって、同じマシンに乗っているのにも関わらず、メチャクチャ乗りやすくなったり、メチャクチャ乗りにくくなったりと、見た目上ほとんど変わらないにも関わらずとんでもない変貌をとげます。
サスセッティングが重要なのは理解できるが…
ですがですがですが、サスセッティングはメチャクチャ難しい……。
私も昔は、
となっていました(笑)。
ですが自分に合ったサスセッティングを出せるようになると、荒れているところでも安定するコトで転びにくくなり、カラダの無駄な力みが取れるコトで疲れにくくなり、恐怖感が薄くなるコトでアクセル開度が上がりスピードアップします。
とにかくメリットしかありません。
逆に合っていない場合は逆のコトが起こり、車体が弾かれ安定しないので転びやすく、恐怖心からアクセル開度が上がらず、スピードアップが難しくなり、平均速度が下がることでレース成績にまでも影響を及ぼします。
もちろんセッティングに疎い状態でも上達するコトは可能ではありますが、スピードはあるのに転びやすく不安定な成績で、「あの人転ばなければメチャクチャ速いんだけどなー」というライダーになってしまいます。
それはそれはメチャクチャもったいない話です…。
ココから有料記事↓
マシンの姿勢の重要性
ではまず、皆さんが気になっている実際に私が経験した成績ジャンプアップした内容を紹介します。
本記事で最重要項目となります。
ズバリ、「マシンの姿勢」について師匠から教わりました。
マシンの姿勢は、フロントフォークの突き出し量とリアサグ量で決まります。
師匠に教わる前は、ネット記事で見つけた以下のセッティングでした。
変更前
- フロントフォーク突き出し量:10mm
- リアサグ量:110mm
それを師匠に伝えると、
素直なわたくしは(笑)、すぐにそのセッティングに変更しました。
変更後(推奨セッティング)
- フロントフォーク突き出し量:5㎜
- リアサグ量:110㎜
変更後に乗ってみた素直な感想としては、
基本的にこの記事を見ているほとんどの方は、リアサグ量110mmで問題ないと思います。ギャップを快適に走行したかったり、ハイスピード寄りのセッティングにしたい場合は105mmに変更します(現在私は105mmにしています)。
この「マシンの姿勢」がしっかり定まっていないと、いくら高価なチューニングやコーティングをサスペンションにほどこしても、その効果を引き出せないばかりか、場合によっては真逆の「転びやすく、スピードが上げにくい」状態を作りだしてしまいます。
この「マシンの姿勢」はサスセッティングを語る上では避けては通れない、かつ最も重量な内容なので、ココをしっかり押さえていただきたいと思います。
減衰のセッティング&フロントフォーク突き出し量(5㎜)を固定した状態で、リアサグ量を変更してみると、乗りやすさが激変します。
以下の2パターンを比較してみてください。
- 100mm
- 110mm
推奨セッティングのリアサグ量110㎜に対して、100㎜はリアサスが沈まずに車体が跳ね、荒れた路面(特にガレ場)はとても乗りづらくなります。動画でライディングを確認すると、リアタイヤとリアフェンダーの距離が縮まらずに、車体が下から突き上げられて跳ねているのを確認できます。「リアサスが縮んでいない=トラクションしていない」状態なので、リアサグ100㎜の場合は荒れた路面で低速域になればなるほど、走りずらいセッティングとなります。
サスセッティングの考え方
では「マシンの姿勢」が定まった次はいよいよサスセッティングに入ります。
ここで皆さんに質問です。
違います違います。
感の良い方はもう分かってしまっていると思いますが、
ズバリ、標準値です!!
メーカーが膨大な量のデータを取り、膨大な時間を掛けて出してきた標準セッティングです。「なんか前後バランス悪いなー」なんてコトが起こるはずがありません。
もちろんその通りで、私も現在ノーマルサスを柔らかい方向に振ってセッティングしています。
ココでお伝えしたいのは、「自分にあったサスセッティングを探す」というコトは、「一番バランスが取れている標準サスセッティングのバランスを崩して、自分にあうセッティングを探す」とも言い換えるコトがデキるというコト。
ではサスセッティングの考え方のポイントを説明していきます。
以下の4つです。
- 100点でなく平均点を目指す
- 疲れてきた状態に合わせる
- 減衰のバランスも考慮する
- 適正なサスセッティング判断方法
100点でなく平均点を目指す
全てのセクションを走行するにおいて、
「100点でなく平均点」になるようなサスセッティングを目指す。
コレだけ聞くと、
確かに、そのセッティングが出せればもちろん理想的です。
しかし、ハイスピードギャップを快適に走れて、難所やガレ場でも全く不満がないなんてセッティングを出すのは不可能に近いです。
ハイスピードギャップに照準を合わせて100点になるようなセッティングにしたとすると、難所やガレ場での走行が50点以下となり、いくら速い部分があったとしても転倒やスタックしてしまい、全体的に見るとマイナスとなります。
それより、「少しだけ走りにくいけど、どこでも走れる」というセッティングを目指すことで、全体平均を上げるコトが可能となります。
特に長時間になればなるほど、「止まらずに淡々と走り続ける」ことが重要となってきます。
JNCCのCOMPクラスは3時間の長丁場に加え、適度な難所が混ざってくるため、この考え方はとても大切です。
疲れてきた状態に合わせる
コレは誰でもやりがちな落し穴です。
「元気なトキ」にサスセッティングを合わすと、硬めなセッティングが出やすくなります。
「元気なトキ」はアクセル開度も大きく、踏ん張る力も強い状態なので、ある程度バイクが暴れてしまっても押さえつける力がまだまだ残っている状態です。
しかし、このセッティングで「疲れたトキ」に乗ったらどうでしょうか?
アクセル開度は「元気なトキ」に比べて小さくなり、車体が暴れたら抑える力があまり残っていない状態です。
それにも関わらず「硬め」なセッティングを出してしまっているので車体はフラれやすく、余計にアクセルを開けられないどころか、抑えつける力が残っていないので転倒しやすくなります。
なので「元気なトキ」に出したセッティングではなく、少し走りこんだ「疲れたトキ」にセッティングを合わせるコトをオススメします。
減衰もバランスを考慮する
しつこく「バランスが大切」と伝えていますが、減衰も同じです。
圧縮と伸びのバランスが大切です。
そのように思っている方が多いのではないでしょうか?
皆さご存じのように、圧縮が「沈む速さ」、伸びは沈んだサスが「戻る速さ」を調整します。
圧縮は柔らかい方向にすればするほど「スコッ」と大きく沈むようになり、これは結構分かりやすいと思います。
ですが、こう思ったことはないでしょうか?
そこで、その乗りずらい原因でもあり、サスセッティングにおいて重要となる「伸び」について説明します。
伸びについて深ボリ
これは「圧縮の数値に対して伸びがどのような数値か?」を説明すると分かりやすいです。
以下の通りです。
- 圧縮の数値に対して、伸びの数値が大きすぎる → 車体が跳ねやすくなり、転びやすく、不安定になる。
- 圧縮の数値に対して、伸びの数値が小さすぎる → 車体は安定して転びにくいが、下からの突き上げの衝撃が大きく、イチイチ引っかかってしまい乗りづらい。
※標準値からの「変更値の差」となります。
例、圧側:標準、伸び側:5緩め(締め)など。
昔の自分を含めた初~中級者のライダーは、サスセッティングを柔らかい方向に振ると思います(標準値セッティングが硬い傾向なため)。
そしてよく分からずに、圧縮もしくは伸びを緩めると思います。
それでうまくバランスの取れたセッティングが出ればよいのですが、セッティングしてるうちにワケわかならくなってしまいます…。
色々試行錯誤してみたり、周りの人の話やセッティングを聞いてきたうえで思うコトは、サスセッティングを柔らかめにしようと、「伸びを緩めすぎる」傾向があるというコトです。
この弊害は大きく、「車体が跳ねて転倒しやすく、アクセルを開けにくくなる」という現象が起こりやすくなります。
なので、「圧縮と伸びのバランスが大切」というコトがポイントとなります。
まず「マシンの姿勢」を上記の「突き出し量5㎜、リアサグ量110㎜」に設定した後、減衰を全て標準値にして一度走行します。その後以下のセッティングを試してみてください。
- フロントの伸び側だけ5クリック緩める
- リアの伸び側だけ5クリック緩める
- フロントの伸び側だけ5クリック締める
- リアの伸び側だけ5クリック締める
伸び側を緩めた途端、跳ねて乗りづらくなり、どちらかというと「神経質な動き」になりスピードを上げにくくなると思います。逆に伸び側を締めると、安定するけどゴツゴツして硬くスピードを上げにくい印象を受けると思います。よく分からない場合は10クリックなど、極端な数値を試してみてください。また、圧側でも同じことをやってみると、「数値の変化による影響」が良く分かるようになると思います。
適正なサスセッティング判断方法
私の考えとしてはズバリ、
「一番転倒が少なく、荒れている箇所で一番アクセルを開けられる」セッティングです。
転倒は「攻めて走っている時」や「レースの時」は正直避けられない場合もあるので、一番少ないとしています。
「荒れている箇所で一番アクセルを開けられる」というのは、裏を返せば荒れていなければ何処でもアクセルを開けられるセッティングとなります。
特に私は「練習中に転倒するコト」を特に気にしています。
今まで普通に通過していた箇所で転倒したり、何もキッカケがないのに転倒する場合は要検討です。また、フロントが急にフラれたりリアが急に弾かれるなど変な動きをして転倒しそうになったりする場合も注意です。
ただ、適正なサスセッティングは本当に人それぞれで、乗っている位置や走行スピード、ライディングスキルでかなり変わってくるので、「一番転倒が少なく、荒れている箇所で一番アクセルを開けられる」というポイントを指標にして見つけてみてください。
サスセッティングが合っていないとパンクしやすい
コレは意外だと思う方がいるのではないでしょうか?
私の経験談ですが、サスセッティングが合っていないとパンクしやすい傾向にあります。
理由としては、サスペンションが本来の役割を果たさずに「衝撃をモロに受ける」ためです。
普通なら「スッ」と吸収してくれるところを「ガツン!!!」とゆー感じですね。
コレは、前後・減衰バランスが大きく崩れていたりする場合に起こりやすいです。
例えば、圧側に対して伸びが遅いセッティングで荒れた連続したギャップなどを走った場合、サス縮んで戻り切る前に次のギャップに差し掛かり、更に深く縮んでまた戻り切る前に次のギャップで更に深く縮んで……、という現象が起こり、サスが衝撃を吸収できない状態でギャップに当たり、「リム打ちしてパンク」というコトが引き起こされます。
また、逆に伸び側が速すぎるセッティングだと車体が「ぴょこぴょこ」と弾かれやすい傾向にあり、弾かれるときに「ガツン!」となり、「リム打ちしてパンク」といった感じです。
またリアサグ量が適切でないと起こるコトがあり、推奨セッティングは何度も言うように110mmですが、これが100mmになると、一気に「バネ感」が出て同じ減衰だとしてもガツガツと下から弾かれるようになります。私はコレで前後共にパンクした経験があります。
「くんすけ的」オススメセッティング方法
ではでは、皆さんお待ちかね、実際のセッティング方法です。
と思っていると思うので(笑)、その具体的な話に入ります。
以下の3つです。
- 具体的な数値設定方法
- サスセッティングを何処に合わせるか?
- 迷ったら標準値に戻す
具体的な数値設定方法
カコの私はサスセッティングにこだわりまくっていたので、一クリックずつ色々と変更して違いを体感し、刻みつつ合うポイントを見つけていました。
と変更しては乗って試してを繰り返しまくってました。
そしてセッティングを失敗してレースで吹っ飛んで肘をスリむいたり、下りで不意に弾かれて崖落ちしたり…、色々と経験してきました(笑)。
そしてたどり着いた現在の結論としては、
圧側と伸び側を同じ数値変更していく
という方法です。
まあまあ落ち着いてください。
先ほど説明したように、一番バランスが取れている状態が「標準値」のセッティングです。
そしてそれから数値を変更して、そのバランスが取れている状態を崩していくことになります。
というコトは標準値で乗ってみて「ちょっと硬いかな~」と思う場合は、全て1クリックずつ緩めれば、前後バランスやサスが縮んで伸びるバランスを変更することなく、緩める方向にセッティングするコトがデキます。
なので、よく分からずに数値をガチャガチャ変更するくらいなら、標準値で乗っていた方がセッティングのバランスとしては一番間違いないです。
人によっては後ろの方が柔らかめが好きとか、人それぞれ好みがあると思うので、圧側と伸び側を同じ数値ずつ変更して、上手く調節してみてください!
ちなみに、フロントの数値を変更したのにリアの動きが気になったり、またその逆もあったりするので、変更する順序としてはどちらからでも問題ないと思います。
サスセッティングを何処に合わせるか?
どのような路面にサスセッティングを合わせるか?も、とても重要な要素となります。
ココで皆さんに問題です。
エンデューロレースにおいて、どちらの方が成績が良くなるセッティングだと思いますか?
- レースに向けて、ゲレンデなどのハイスピード区間でタイムを稼げるようにセッティング
- 難所やガレ場などといった荒れた路面で失敗しないようにセッティング
皆さんお分かりだと思いますが、正解は②です。
師匠に教えてもらった内容としては、
とアドバイスもらいました。
なので私が普段サスセッティングを出す場所としては基本的には山で、緩い登りのそこそこスピードが出せる荒れた路面で行います。「緩い登り」の理由としては、ダメなセッティングの場合にマシンの挙動が大きく出やすいためです(リア側が大きくフラれる)。
また荒れた箇所は基本的にスタンディングで通過すると思いますが、そこをあえてシッティングで通過して「マシンの挙動」を確認したりすると更に良いです。
そして、先ほども説明したように「一番転倒が少なく、荒れている箇所で一番アクセルを開けられる」セッティングを探します。
迷ったら「標準値」に戻す
もちろんすぐにサスセッティングがデキるようになりはしません。
イチイチ変更しては乗ってみての繰り返し作業を沢山する必要性があります。
ですが、この作業で間違いなく「訳わからなくなる」と思います。
そしたら必ず「標準値」に戻します。
コレが重要で、そのままやり続けて何クリック回したか分からなくなったけど、その状態からまた乗って…
みたいなことを繰り返していると永久に「自分にあうセッティング」を出すことはデキません。
迷ったら標準値。
コレをしっかり覚えておいてください。
その他のポイント
ココまでで大事な内容をほとんど伝えてきましたが、更に補足的な知識を皆さんに共有したいと思います。
以下の3つです。
- 圧側の高速はノーマルでOK
- フォークシールはSKFに交換する
- 減衰の数値を刻んで設定する方法
圧側の高速はノーマルでOK
ストックのサスペンションの場合、高速側はリアの圧側のみ設定可能だと思います。
結論的には、この高速側の数値は「標準値」でOKです。
と皆さん思っていませんか?
私もそう思ってました。
しかし、これは誤りです。
モトクロスコースで開け開けで走っている場合はもちろん、ウッズなどで走行していたとしても動きに違いが出てきます。
高速側を締めこむとサスの動き自体がゆっくりになり、緩めていくとサスの動き自体が速くなり、分かりやすいくらい動きが変わってきます。
私はカコに、こだわりまくっていた時期はリアの高速側を1/4締めこんでいた時期がありました(ヤマハの場合、調整はクリック数ではなく回転数)。
これにより、多少リアが弾かれにくくすることがデキます。
しかし、この高速側のセッティングは本当に難しく、低速側がしっかり決まっていないと簡単に迷宮入りします。
感覚的には、しっかり全体のバランスが取れたセッティングが出た上で補足的に変更するという使い方です。
ただ、そこそこスピードの出るギャップがイチイチ引っかかる印象で走りにくく感じ始め、結局標準値に戻しました。
フォークシールをSKFに変更する
コレは私にとってはメチャクチャ重要なコトで、車体を乗り換えたらまずフォークシールを交換します。
私も昔はそう思ってましたが、今では絶対に変更します。
ではコチラをご覧ください。
ノーマルシール(OEMフォークシール)とSKFフォークシールはこんなにもサスの動きが変わってきます。
では、ココがスムーズに動くことの何が良いのでしょうか?
フォークシールを変更するメリット
まあほとんど正解なのですが、よく動くことによるメリットを解説します。
メリットとしては、
余計なセッティングを防止できる
という点です。
例えば、今のサスセッティングが「入りが硬い」と悩んでいるとします。
次に行うアクションとしては、「圧側を緩める」となると思うので、仮に3クリック緩めて「入りが硬い」という現象は落ち着いたとします。
しかし、次には「サスが入り過ぎて走りにくい」という現象が起きやすくなります。
そして、またサスを締める方向にしてみたけどやはり硬い…。
ココで伸び側も緩めてみるけど確かにフラれは少なくなったような気がするけど、逆にイチイチサスが動きすぎて走りにくい…。
私も何度も経験しましたが、もう無限ループですよね…。
コレがSKFのフォークシールだと、シールのフリクションロスが少ないことで初期動作がよくなります。
初期動作が良くなることにより、硬くて3クリック以上緩める必要があった圧側のセッティングが、1、2クリックで済みます。
そして「初期は柔らかく、その先で踏ん張ってくれる」という理想的な動きを実現してくれます。
「入りが硬い」という現象は、普通なら「圧側を緩める」しか解決策がない上、満足いく動きにするには大きく数値を変更する必要が出てきます。その影響で、低速での走行時は丁度良い動きとなりますが、少しスピード域を上げるとサスが入り過ぎてしまい、アクセルを開けにくくなり、平均速度が落ちてしまいます。
他の解決策として、カシマコートやDLCコートといったサスペンション自体をコーディングして動きをよくするという方法がありますが、かなり高額なチューニングとなります。
一方、SKFフォークシールはフロント左右で1万ちょっとくらいで驚くほど動きが変わるので、費用対効果バツグンです。
減衰の数値を刻んで設定する方法
という読者の方に(笑)、昔やっていたオススメ方法をお伝えします。
と方法の前に、サスセッティングの大前提として、私よりもサスセッティングにシビアな元COMP-Aシングルの先輩に教わったのは、
圧側と伸び側の数値の差は1つまでが目安で最大でも2つ。
というポイントです。
実際に私がサスセッティングを出せるようになりCOMP-Bシリーズチャンピオンになった時のサスセッティングは、前後共に標準値から圧側のみ1締めこんだだけのセッティングでした。
1クリックずつ変更して試す
ひたすらこの作業をやります。
セッティングを出すセクションを決めて、圧側と伸び側を別々に1クリック動かしては感想をメモする。
それを前後様々なパターン組み合わせて行う、途方もない作業です。
フロントを変更したのにリアの動きが気になるといったコトや、変更している途中で訳わからなくなってしまったりと迷宮入りしやすく、「サスセッティングはムズかしい」となりやすいです。
そして苦労して出したセッティングにも関わらず、次に乗ってみると何か違う…。
そしてまたセッティングし直して…
この繰り返しを私もやりまくってきました。
お陰でノーマルサスペンションでも「1クリックの違い」を体感できるようになりましたが、オススメ方法として紹介した「圧側と伸び側の数値を同時に変更する」という方法に切り替えた結果、メチャクチャ分かりやすい上にバランスも良い上に時短となりました。
もしこだわって細かいセッティングを出す場合は、「圧側と伸び側の数値の差は1つまでが目安で最大でも2つ」というのと、「迷ったり分からなくなったら標準値に戻す」というのを頭の片隅に置きつつ、チャレンジしてみてください!!
リバルビングって実際どーなの?
私はYZ250FXに乗っていたCOMP-R~COMP-Aシングルまで、サスペンションをRG3にリバルビングしてもらっていました。
師匠に教わりながら基礎練しまくって急成長した時期のほとんどを、このリバルビングしたサスペンションを使用していました。
私の結論としては、
リバルビングは、「お金に余裕がある人」にはオススメなチューニング
だと思っています。
皆さんも何度か耳にしたり、話を聞いたことがあるかもしれませんが、サスペンションのリバルビングについてこう思うのではないでしょうか?
私もリバルビングする前にはそのように思っていました。
ですが、むしろ初心者や中級者ほどやった方が良いと思います。
ある程度上達してくると、サスセッティングが多少外れていたとしても、技術的な部分でそれをカバーするコトが可能です。
しかし、初・中級者の場合だとまだ技術面に乏しいため、即転倒に繋がりやすい傾向にあります。
私がお世話になっていたRG3は、その人のレベルに合ったチューニングをしてくれるので、初めてリバルビングした時はハードエンデューロ寄りの良く動くセッティングで、COMP-Bの時には「COMP-Aで通用するセッティングにしてください!」とお願いしたので、最初は硬くて悩みましたが、快進撃が始まった頃には自分にとって「メチャクチャ調子良い」サスペンションに変貌しました。
しかし、いくら自分のレベルに合わせたチューニングをしてもらったとしても、そのサスペンションを自分にあったセッティングに合わせないと意味がありません。なので、もしリバルビングをするなら、本記事を参考にして自分に合うセッティングを探してみてください。
おわりに
今回はエンデューロライダーに贈る「速くなるサスセッティング」のコツというコトで、サスセッティングについて詳しく紹介しました。
マシンの姿勢のオススメセッティングとしては、
変更後(推奨セッティング)
- フロントフォーク突き出し量:5㎜
- リアサグ量:110㎜
サスセッティングの考え方としては、
- 100点でなく平均点を目指す
- 疲れてきた状態に合わせる
- 減衰のバランスも考慮する
- 適正なサスセッティング判断方法
「くんすけ的」オススメセッティング方法としては、
- 具体的な数値設定方法
- サスセッティングを何処に合わせるか?
- 迷ったら標準値に戻す
その他補足として、
- 圧側の高速はノーマルでOK
- フォークシールはSKFに交換する
- 減衰の数値を刻んで設定する方法
また、リバルビングの経験談に加え、実際にセッティングの差を体感してもらえるような「体験ワーク」も紹介しました。
この記事を参考にしていただきながら自分に合うサスセッティングを出し、ケガすることなく安全にスピードアップして、皆さんのエンデューロライフを充実させて頂ければ嬉しいです!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。











